パニック症の珍奮闘記

パニック症に贈る笑いに変える生き様

慶子ちゃんを見守るロビーの仲間たち

そんな中、田井さんが新聞をパタンと閉じ、「今日は日曜日だぞ」と一言。誰に言うでもなく呟いた言葉は、慶子ちゃんの耳には届かない。寺下さんがニヤニヤしながらオレンジジュースを差し出し、坂元さんは扉をガチャガチャ鳴らし続ける。
誰もが、それぞれのやり方で日曜日を過ごしているが、慶子ちゃんはただ待ち続ける。彼女にとって、この待ち時間もデイサービスの一部なのかもしれない。

(デイサービスの迎えが来ない日)

午後になり、施設の職員が「慶子ちゃん、今日はデイサービスお休みだよ」と声をかけるが、彼女は一向に動かない。何かを見据え、まるで時間が止まっているかのような姿勢で、静かに待つ。誰もがそれに慣れていて、「またか」と思いながらも、見守り続ける。

(ロビーの「日常」の続き)

夕方になると、ロビーはまた賑わいを見せる。坂元さんはついに扉を開けようと試み、田井さんはまた新しい新聞を読み始め、寺下さんはオレンジジュースを飲み干し、次の一杯を注ぐ。慶子ちゃんは、そのまま待ち続け、やがて夕食の時間になる頃、ようやく動き出す。「自由の女神」も、この日常のリズムに乗るのだ。